市民のためのがん治療の会
市民のためのがん治療の会
夏でも靴下、腹巻で冷えを追放

『体を温めて気持ち良く健康に』


株式会社アインファーマシーズ
上席執行役員 土居 由有子
わたしは長年、たとえば、セカンドオピニオンをお返しするときや「ほんわか通信」(市民のためのがん治療の会の会員用ML)など色々なところで、「体を冷やさないように」「夏でも靴下を」「生姜、にんにくを食べよう」などと言い続けております。
がん患者はやはり体温が低いです。
とかく患者は特効薬とか新しい術式などを求めますが、直接がんを治すことではないとしても、清潔を心がけるなどと同様、体をあたたかく保つことはがん治療の基礎として大事だと思います。
そこで「ロハスメディカル」Vol.85、2012年10月号に掲載された土居由有子先生の「体を温めて気持ち良く健康に」を土居先生並びに株式会社ロハスメディアのご好意で転載させていただきました。
転載をご快諾いただきました土居先生、株式会社ロハスメディアに対し、心から御礼申し上げます。(會田)
暑が残るこの時期、クーラーのかけ過ぎで体を冷やしていませんか。特に寝ている時が要注意。
それでなくても、日本人の平均体温は、50年前に比べ約1度下がっているとも言われます。体が冷えると、血流が滞り、栄養が体に行き渡らず、逆に老廃物で汚れた血液が体に停滞します。これが万病のもとになります。
まず皆さん、体の冷えをチェックしてみましょう。

冷えのチェックリスト
口布団に入っても足先が冷えて眠れない。
口夏でも体が冷えている。
口手足が冷たいのに顔がほてることがある。
口色々な健康法やダイエット法を試したけど効果が感じられない。
口下半身太りが気になる。
口手足がむくみやすい。

3つ以上チェックがついたら要注意です。今回は、体を温めて気持ちが良くなる食、飲、生活、運動それぞれの健康法を、薬剤師の視点から解説します。まず「食」です。体を温める食材を知りましょう。生菱、ニンジン、ねぎ、シソの葉、七味唐辛子、カツオなどの赤身魚、レバーや午肉なども体を温めます。
特に生菱の体を温める効果は抜群です。辛味成分のジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンが血行を促進して体を温めます。その他にも臓器を活性化し、代謝を高め、発汗を促す作用もあります。香り成分として、食欲増進の働きを持つシネオールも含まれており、疲労回復・夏パテ解消に役立ち、健胃・解毒・消炎作用もあります。
次は「飲」です。体を冷やしてしまう余分な水を出すため、利尿効果がある紅茶などを飲むのがポイントです。特に温めた「生姜紅茶」は、抜群の効果があります。便秘解消のため冷水をたくさん飲むようなことも聞きますが、逆効果です。温めた生姜紅茶を飲んだ方が腸の働きが活発になって便秘解消にもつながります。
「生活」のポイントはお腹。お腹には臓器や大量の血液が集まっており、お腹が冷えると体全体も冷えます。そこで登場するのが「腹巻き」。身に着けるだけで体を温める効果抜群です。血の巡りも良くなります。
最後に「運動」です。体が冷えてしまうと、高タンパク・高脂肪の食材を体内でエネルギーとして燃やせなくなり、体温も上がらないという悪循環になります。運動をすると血の巡りが良くなり 体温が上がり、臓器の働きが活発になり、排地機能も向上し、快食、快便、快眠がもたらされます。そして、女性が最も気になる美肌も保たれます。

略歴
土居 由有子(どい ゆうこ)

1978年東日本学園大学(現・北海道医療大学)薬学部卒。病院勤務後、93年に(株)第一臨床検査センター(現アインファーマシーズ)入社、薬剤師研修を担当、2009年より現職。神戸薬科大学非常勤講師、北海道大学大学院非常勤講師、帝京大学非常勤講師として、「薬剤師教育指導論」や 「リスクマネージメント」を教えている。

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